低用量ピルの効果
もともとの避妊効果以外の良い効果が、ピルの副効用として認められ、現在は治療薬として用いられています。
月経トラブルの改善
月経痛、月経不順、月経前緊張症(PMS)、月経時の不調などの月経に関連するトラブルを改善します。月経による女性のパフォーマンス低下やチャンスの喪失は7000~8000億円規模になるとの試算があります。「もっと早く始めればよかった」という声がよく聞かれます。
子宮内膜症の予防、治療
子宮内膜症は月経に伴う疾患として、近年増加傾向にあります。月経痛などのトラブルの他に、不妊の原因ともなるため、適切な対応が大切になります。
卵巣癌、子宮体癌の発症率低下
卵巣癌は婦人科の癌のなかでも早期発見が難しく、進行して見つかることが多い疾患です。ピル服用者に卵巣癌、子宮体癌の発症が少ないことが認められています。
ニキビ、多毛の改善
ピルを服用することで、ニキビ、多毛が改善することが知られ、海外ではニキビ用のピルもあります。
ピルの副作用
服用開始のころに軽い吐き気、むくみ、不正出血がおこることがありますが、大きな問題にはならないことがほとんどです。
重大な副作用として血栓症があります。血管のなかで固まった血液が栓をして血流を止めてしまう病状で、肺に起こると肺血栓として大きな問題になります。
ただし、この後に挙げるリスクのない方については発症の頻度はかなり低いことが知られています。
服用者1万人あたり3人の発症で、これは正常出産後の約1/20、喫煙者の1/187のリスクです。
ピルを服用できない方
・35歳以上で1日15本以上の喫煙者
・前触れ(ちかちかする、なまあくび)のある片頭痛の方
・妊娠の可能性、授乳中
・脂質異常症の方
・コントロールされていない糖尿病、高血圧の方
・心血管障害(心筋梗塞、脳梗塞、肺塞栓など)に罹ったことのある方
・癌、原因不明の不正出血のある方
・まだ身長が伸びている(成長期の途中、月経がまだ始まっていない)